[T-3] 知財部管理職の方のIPLにまつわるお悩み解決策

目次

  • 知財部管理職の方々に共通のお悩み
  • IPLの現場によくある光景
  • そうならないためには
  • 具体的手段のご提案

知財部管理職の方々に共通のお悩み

先日、上場企業の知財部管理職クラスの方々5名様とのディスカッションに参加する機会がありました。テーマは、「IPLと知財戦略」。IPLにあたり知財の事業貢献を可視化するために、売上げ・利益への寄与を数値データで提示したいが、これが難しい、とのお悩みを皆様が抱えておられました。

IPLの現場によくある光景

筆者も経験がありますが、「知財の売上げ・利益への寄与を数値データで示せ」という要求をうけたとき、その要求は、マーケティング系・営業系の役員が自身の担当部門のプレゼンスを示威する(マウンティングする)ため、自分の土俵に引き込もうとする“策略”であるケースが多いと思われます。▼その要求に素直に応えようとするならば、特許の出願・維持件数、さらに(もしあれば)ライセンス収入額などのKPIを示して説明することになります。しかし、ライセンス収入額を除き、知財関係者以外の方にとってはたいていピンと来ない数字です。そして、しばしばそこから権利化・権利維持の費用に話が及び、「だいぶお金をかけている割に費用対効果がはっきりしない。本当に役に立っているのか?」という指摘をされ、その場でうまく弁明しきれずに終わってしまうパターンに陥りがちです。要求を受けて誠実に対応したのに“藪蛇”だった、という残念な結果となるのは釈然としませんが、“策略”であるとすれば、そうなるリスクが大きいのも腑に落ちるでしょう。

そうならないためには

そうすると、知財部がそれに乗ってしまうのは得策ではありません。▼『特許は、ゲームの「フィールド」と「キャラクター」の設定にあたり構成要素に相当する存在であって、売上げ・利益のようなKGIへの関与は間接的です。しかしながら、ビデオゲームで一定程度強力なアイテムを持っていなければボスキャラやライバルキャラに太刀打ちできないのと同様、市場の競争に参戦するにあたり排他的効力を有する特許は欠くべからざる要素として事業に貢献しているのです。その要素を持っているという前提がある上でどう振る舞うか、この車の両輪がKGIを左右するのです。』というのが筆者の持論です。事業における特許の意義を語る上で、KPIよりもこちらが本筋ではないでしょうか。

具体的手段のご提案

できれば「知財の売上げ・利益への寄与を数値データで示せ」という要求は受け流して、いきなりガツンと前述のメッセージを伝えたいところです。そのための手段があります。デジタルキロンの『特許戦略チャート』です。

▼ではなぜ、いきなりガツンと伝えられるのか、それには理由があります。特許戦略チャートが『企業の競争の実体は商品・サービスであり、一つ一つの競合領域における商品・サービスの競争は、会社組織における社員個々人の出世レースに似ている』という視点で話を展開することを可能にするツールだからです。ここで、“出世レース”とは、スポーツ競技にたとえるとすると、マラソンと(ライフセーバーが砂浜で行う)ビーチフラッグを足して2で割り、多少ハードにアレンジしたゲームをイメージしてください。

▼要は、『特許は自社の商品・サービスが占めている有利なポジションからライバルの商品・サービスを押し退ける手段として、ほかの手段では代替困難な役割を担っています。これは社員個々人が例えば資格、ハイレベルな英語力、稀有なスキル・経験・実績及び後ろ盾などを身につけて出世レースを戦っている様子と重なるのです。』というのがメッセージの趣旨です。

▼『特許戦略チャート』の具体的な内容についてご興味をお持ちの方は、本ホームページ内の他の記事をご参照の上、是非contact@digital-chiron.comまでメールでお問い合わせください。きっと、役員の方々が“身につまされ”、特許の意義を自然に認めてしまうよう誘導するプレゼンテーションを作り上げることができることでしょう。

◆本記事は、パテントサロン様知財系ライトニングトーク #30 拡張オンライン版 2025 秋 の発表に参加する予定です。

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この記事を書いた人

株式会社デジタルキロン
代表取締役

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