[P-1] ドッジボールのたとえ話

[前置き]データベースソフトとしてのExcel

「パテリデTM」の主な利点である“スクリーニング査読作業の効率化”について、「パテリデTM」の実体であるExcelデータベースの実状に先に触れてから、ドッジボールのたとえ話で説明いたします。▼データベースソフトと言えば、Microsoft Accessを連想される方が多いかと思われます。大規模データを業務上扱う機会に恵まれた方ならば、Microsoft Accessの使用方法に習熟されていることでしょう。一方、そのような機会がなかった方は、なんだか難しそうでなかなか手を出せなかったのではないでしょうか。▼ところで、レコード数が数万件より少ない小規模データが対象であれば、実はExcelの方がデータベースソフトとして十分使える上にMicrosoft Accessにはない利点を持っていることをご存知ですか?▼もともと、Excelは誕生した時から「表計算」「グラフ」「データベース」の3つの機能が柱とされ、バージョンアップするたびに強化が図られてきたのです。また、それと並行してパソコンのメモリやストレージがどんどん大容量になり、処理速度も高速になってきました。その結果、ヨコ数百×タテ数万のセルクラスタからなり、各セルに最大32,000文字(400字詰め原稿用紙80枚、12ポイントA4用紙50枚)のテキストが入った、一般的な「表」の概念を遙かに超えたリスト型データベースを作成し、Excelの操作方法で使用することが、知らないうちに余裕でできるようになっているのです。▼しかも、Excel 2016から、「Power Query」という標準アプリとの連携機能が実装されています。Excelは仕様の上では約100万件のレコード(行)を処理できますが、実際は数万件程度を超えてくるとPCのスペックに依存して動作が遅くなり、実用に耐えられなくなります。しかし、「Power Query」との連携により、何百万件のレコード(行)から必要なデータだけExcelに取り込んで扱えるようになりました。「Power Query」は、「ピボットテーブル」に匹敵する劇的な変化をExcelにもたらしたとも言われています。最近は生成AIにExcelのコードを作成してもらえるようにもなり、Excelのデータベースとしての可能性は拡張を続けています。

一般的なスクリーニング査読作業

▼それでは、特許のスクリーニング(数千件ー[篩分け]→数十件とする精密な絞り込み工程)に話を進めましょう。▼技術分野にもよりますが、特許のクリアランス調査は、検索を行い作成された数千件規模の特許集合を対象に、問題ないかどうか1件ずつ仕分けていきます。ここで、前述の特許集合は様々な技術内容の特許文書を含み、とりあえず番号順に1件ずつ査読を始めるとバラバラのテーマがランダムに現れます。▼通常、ドッジボールは相手チームに四方向のどちらからボールを投げられるか分からない状況でゲームが進行します。対応するために継続して注意を払い、体勢を連続的に変化し続けることは大変で、かなり疲労が生じます。▼これが生産性の低いスクリーニング査読作業の進め方に相当します。

「パテリデTM」で実現できるスクリーニング査読作業

▼一方、ドッジボールのルールを変更し、こちらから相手側に「これより一定の間、この方向からA選手が投げてください。次に、この方向からB選手が投げてください。その次は…」と指定できたら、そこで事実上選手ごとの球数制限があったら(注:通常も試合時間に制限があるため、球数無制限という訳ではなく、事実上球数に制限はあるものの事前に表示されていないだけです)、格段に対応しやすくなります。▼そして、こちらが疲れる前に能力の高い相手選手に対応し、疲れたときに能力が劣る相手選手に対応する、というようなコントロールがいつでも自由にできるとしたら、安心感がいっそう大きくなります。前半と後半に分かれていたり、選手交代で新たに選手が投入されたりしても、試合を通してこのコントロールができ、うまく利用できたら、ボールを受ける側としてはだいぶ優位に試合運びができます。▼調査案件の内容は多様で事情もケースバイケースなので、それに応じた作戦を展開することで最適化に近づくことができます。▼こちらが「パテリデTM」を活用した生産性の高い進め方に相当します。

上記の特長により、「パテリデTM」は“スクリーニング査読作業の効率化”に大きく貢献できるツールです。筆者は調査会社の調査員をしていた時に、納期1か月のクリアランス調査でも最初の1週間で抽出するべき特許をほとんど全部抽出し、中間報告という形でお客様にお伝えしていました。お客様としては、約3週間の時間が得られ、検討が必要な特許にだいぶ余裕を持って対応できるため、とても喜ばれました。よくご存知の技術分野については、あなたもそのような進め方のスキルを短期間で修得することができるでしょう。

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この記事を書いた人

株式会社デジタルキロン
代表取締役

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